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Home / ファンタジー / 元怪盗令嬢【レッドニードル】レイシャは世界を変革す / 第46話 とんだ寄生虫

第46話 とんだ寄生虫

Author: 菅原みやび
2025-06-23 21:00:15

 月明かりが照らす洒落た小部屋、私はその中央にいる者に目を向ける。

 それは作業椅子に脚を組み静かに座すブラッド青年をであった。

「ほう? お前1人か? ふふははは! なにはともあれ久しぶりだなレイシャ……」

 声とその姿は確かにブラッド青年そのもの……。

 だが、高慢な態度と話し方で私には明らかに別人だと理解出来た。

(なるほど、牢の中にいたあの老人の姿。何処かで見たことあると思ったらそんなカラクリだったってわけね……) 

「そうね百年ぶりかしら? 見ない間に随分と若返ったものね? リッチー=アガンドラ……」

 私は皮肉たっぷりの言葉をブラッド青年の姿をしたリッチー=アガンドラに向けて放つ。

「ふ、相変わらず小癪な奴だ。そんなちんけな精神攻撃なぞ我には効かんぞ?」

「でしょうね。他人の肉体を平気で乗っ取れる寄生虫ですし、人ですらないものね?」

 そう、これは老人の姿、いやリッチー=アガンドラとすり替わったブラッド青年がメモにより教えてくれた情報……。

 恐ろしい事に、何らかの方法でブラッド青年の肉体を乗っ取り、自身の肉体にブラッド青年の魂とすり替えてしまったらしいのだ。

 最も魔導に詳しいクロウだけは最初から察していたらしいけどね……。

「世の中結果が全て……。ふふ、長が長年かけて研究していた人化の方法、それを少し我が改良し使わせてもらっただけだ……」

 リランダの地下倉庫にあった本棚には色んな人に対する研究書があった。

 だからブラッド青年の経営するリランダの地下倉庫に繋がっていた旧王家の牢屋に隠れ家をつくったと。

 流石リッチー=アガンドラ。

 リッチだけあって相変わらず腐った根性丸出しである。

「なるほど、リランダの地下倉庫にあった書物を貴方が読んでたってわけね…&helli

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